日本の学校は、いわゆる「選科」の時間を減らそうと努力しているところが多い。
選科とは、主に、音楽・美術・工芸などのいわゆる芸術的分野で、高校生になると、進学校とよばれる学校はすごく少ない時間となっている。
方や、子どもの頃には情操教育を・・・ということで、芸術系のお稽古ごとを親御さんたちは必死に学ばせる。
・・・極端じゃないんですかねえ。
イギリスに行ったときに思ったのが、美術館、博物館が普通に市民の生活の場所であるんだなあということ。
お値段的な問題もあるんだと思うのですが(無料のところが多い)、家族でまるで公園に行くかのように、ぶらぶらとしていました。
これって、将来的には大きな違いになるなあと。
別に高尚な趣味を持て!
ということではなくて、自然と目に入るものが、感性に秀でたものであるということと、かたや、日曜日にショッピングセンターをぶらぶらでは、
消費者としての立場でしかものを見ることができなくなってくる違いがあるのではないかと考えるからである。
私もイギリス滞在中は、ほとんど毎週美術館やらをぶらぶらしていた。
あまり、買い物をしたいという気持ちもなく、日本にいるときの、ぎらぎらした欲望はなくなっていた。
日本を否定しているわけではないけれども、もっと、目に入るものが豊かなものであれば、将来的なビジョンも考え方にも影響があるのではないかと考えるからである。
経済産業省が本年を「感性価値創造イヤー」とし、感性を持った見方を奨励しているが、日本はそもそも、江戸時代などは、町人たちの感性にささえられていた時代であったのだから、きっと、文化の基礎には、「感性」が根付いているはずだと思う。
ただし、商品である以上、売れなくてはならない。
だけど、売る方も、感性を伴った売り方・・・新しい製品ばかりアピールするではなく、心の豊かさも与えることができるような、そんな提案の仕方をしなくてはならないと思っている。
それには、何が必要って?
と考え、私は、もっと、歴史と哲学と心理学と音楽を学ぶ必要があると考えている。