いつも読んでいるブログの一つに作家の森博嗣氏のものがあります。
理論的で理解しやすい文体だけでなく、その内容から考えさせられることが、私にとって多いからです。
ほんと、こんな先生に習いたかった・・・。
最近の日記の中に「絶対評価と相対評価」に関するものがあり、工芸品を用いている弊社としては、かなり興味深い内容でした。
「ファッションとかアートとかエンタテイメントなどは流行のものであるし、
目新しさ、稀少さが価値を生むことが多い。そうなると「多い」というだけで飽きられる理由になる」
以下抜粋ですが、
「そうなんだよ~」とPC画面に向かって思わず叫んでしまいました。
「少ない」「マイナー」になってしまうと、どうしても、多くの人に知られる機会がなくなるので、知名度という点では薄くなってしまう。
でも、逆にいえば
オリジナル性が高いものほど、ブームになりはずがない
といえると思うのだ。
以前に阿部雅世さんがイタリアの工芸品づくりの中で
「うちの最高の職人につくらせたという芸術品のようなオリジナル製品を、
トレードフェアで、しっかりアピールすると、世界の富がイタリアの小さな村
のひとつのファミリーに流れ込む」
という話をしていらっしゃいましたが、
「最高のものがどこにでもあるはずがない」
というのはよく考えればわかる。
といいながらも、
実は私はある生活用品の店でイタリア製の高級シャンプーを購入したのですが
(手作りで生産と謳っていた)
同居人に
「いや、どう考えてもこの値段は、輸送費と、販売店の人件費が入ってるだけで、手作りだから高いってわけじゃないんじゃない。
だって、かなりの数が制作されて出回っているじゃん。」
と冷静に言われ、
客観性を見失った買い物をしてしまったばかりです。とほほ・・・。
昨日も、弊社のためにわざわざ関西方面からお客様がお見えになり、
「どうしても行きたかったんです」
と言われ、感動してしまいました。
亀戸でしか買えない。亀戸でしか本物を見ることができない。
というのは意地悪とか経営戦略ではなくて・・・
生産量が間に合わない
というのが現状です。
オリジナルな芸術品が出回るはずない!!
(仕事のことはわかっているのに、どうして、自分のこととなるとだめなんだろう・・・と反省)