常に読書の時間は通勤電車の中です。
今は黒川清著「イノベーション思考法」を読んでいます。
黒川氏の本を読むと、「世界へ」という視点が自分には欠けていたのだということに気づきます。
世界へ・・・といっても、世界で通用する企業へ
ということではなくて、
広い世界に向き合う姿勢が重要である
ということです。
大きな世界に個人として向き合ったときに、自分ができることは何か?
を常に問いかけていく必要がある
と思っています。
自分の場合なら、
江戸切子の技術を用いてできることは何か?
ということだと思っています。
今、構想ながら考えているのは、色々な産地の方を組んで、誰も見たことがないような工芸品をつくること。
伝統工芸のよさは、長い歴史の中で培われたノウハウがあることだと思うので、そうしたデザインだったり技術のストックを使って新しいものを創り出すことができたら面白いなあと。
お互いのぶつかり合いから生み出される作品というのは、工業製品にはない
人間性
がそこに生まれると思うのです。
今までもこうした試みは行なわれたきたと思いますが、社会的な位置づけが甘かったのではないかと思っています。
互いの利益になればいい。では、事業としては足りなくて
伝統工芸=現代で面白いことができる中小企業
という認識になれば、後継者不足も解消できるかもしれない、首都圏と地方とのつながりがみつになるかもしれない、世界的に羽ばたける力を持つことができるかもしれない、互いの技術の鍛錬になるかもしれない、・・・
などなど色々と現状を打破する力を生み出すことができるのかもしれないなと思っています。
この試みで一番大切なことは
常に対等であること
だと思っています。
互いに称えあう中でしか実現できない、微妙な試みだと思っています。
工芸品も「和」の製品だけではなくて、ものづくりにおけるプロセスにこうした人の「和」を取り入れることができるのも日本的な方法であり、それも「和」ではないのかなと思います。