続きです。
秘密の・・・ということで、タイトルは某マンガをもじりました。とってもわかりにくいギャグセンスですね。(とほほ・・・)
ちなみに、私は親によりあやうく「切子ちゃん」「硝子ちゃん」のどちからかの名前をつけられそうになったという過去があります。
江戸切子関係の仕事じゃなかったら「いい名前だね」といえますが、今の現状でこの名前だったら、まるで芸名。
さて本題です。「江戸切子の美にせまる」という今回のテーマ。
江戸切子の美しさは「手磨きにあり」ということは説明をしました。
しかし、ここで落とし穴。
すべての江戸切子=手磨き で創作というわけではないのです。
手で磨く方法のほかに「酸磨き(さんみがき)」という方法が実はあります。
字のごとく。「手」じゃなく「薬品」で仕上げる方法。
カットした部分を光らせるために、切子をどぼんと「硫酸とフッ化水素」という薬品につけます。
すると、あーらふしぎ。カットした部分が全て透明に~
そして、あーら不思議がもう一個。
硝子自体の色までうすくへんし~ん。
おまけにもう一個。
カットのきりりとした鋭さも溶けているではないですか~
原因は、すべて、薬品によるもの。
酸に色・カットの鋭さが溶けてしまうのです。この薬品、劇薬なのです。
確かにこれはヨーロッパから伝わったといわれる硝子を磨く製法だから邪道だとはいいません。ヨーロッパの硝子のよさもある。私だってバカラとかきれいだと思うし。
ただ、江戸切子のよさっていうのは、「きりり」とした「江戸っ子」のようなカットにあると、私は思っている。この方法で最後仕上げてしまったらもったいないと思う。
それに、江戸切子のファンのお客様というのは、「手」で創られる技に魅かれているはずだ。
そういったお客様に、最初から最後まで「手」で仕上げていないものをご提供したくないという気持ちもある。
硝子の色はほんとうはとても深い。
硝子のカットはほんとうはいきいきとしている。
本当の江戸切子は、こうなんだよ!と私・・・だけでなく華硝さんにいるみんな、そう伝えたいと思っています。
だから、ブログ上に、「華硝さんの切子のファン」と書いてあるのを見ると、素直にうれしいです。自分たちが持っている想いが伝わった気がするので。
「美へのあくなき追求」の後ろには、見えない技術があり!
やっぱり、白鳥さんが優雅なのは水面下でもがいている話は正しいんだね!(幼少時の心の声)二日にわたっての結論がこれではねぇ。
ちなみに、本日の写真は、以前コラムでお話をした「米つなぎ」カットが美しい江戸切子です。
私は勝手にこの切子を「江戸っ子切子」とよんでます。
なぜって、江戸っ子のような粋な感じがしませんか?