江戸切子=すべてが手作業
ではなく
最後の仕上げ(カットした線を光らせるための「磨き」)に
硫酸とフッ化水素を用いているものがある。
カットした状態ではくもりがらすの状態でできあがってくるので、それを理薬品につける。
そうすると化学反応により、カットした面が透明にかわり、輝くのである。
それを「薬品仕上げ」と呼ぶ。
弊社では一切用いていない。すねて「手」にこだわって作品は制作している。
「薬品仕上げ」は一度に何個も何十個も「磨く」ことができるので、
大量生産向けの江戸切子
に多い。
つまり、「手磨き」にこだわると、どこのお店にも卸すことはできない。
丁寧な仕事のためには、数よりも質を重視したい。
その結果、直販以外の方法がないのである。
最初は本当に口コミで広がっていった。
ここでしか買うことができない江戸切子として、いまでは、ネットの普及とともに、全国の方、海外の方までお会いすることになった。
お店の場所は変わっていないのに、お客様の層は幅広くなった。
他の産地の方にお会いすると、みなさん「直販は夢ですよ」という言葉を聞く。
消費者は工芸品の場合は、創り手から直接買いたいと思っていると考える。
ネットからでいいから、職人が直接発信できるような動きができると、またものづくりの世界にも変化がおきてくるのではないか・・・そう思っている。
(終わり)
書きたいことはいっぱいあるのですが、簡単なかたちで弊社の歴史をまとめてみました。
工房創業64年のうち16年が店舗ということで、店舗として成立するまでにも時間はかかりました。
でも、その間の紆余曲折は今となっては財産です。
これから作品だけでなく店舗もまた進化を続けたいと思っています。